歴史

[歴史] [地域]  築地 月島 (3)−6 築地と帝国海軍発祥の地

今回は隅田川の河口右岸に開けた埋立地、その名も築地と帝国海軍の話に特化してみます。 明治時代初頭、帝国海軍発祥の地です。 即ち海軍本省、海軍兵学寮(兵学校)、海軍軍医学校、海軍省水路部、などが設置され、後には海軍大学校、海軍経理学校が加わり…

[探訪][地域] 月島 築地 (2)−6 江戸遺構 佃島、石川島の今昔

今を去ること1400年前、日本国の年号も定まらない628年(西暦)隅田川の河口浅草で漁師の檜前浜成、武成の兄弟の網に一寸八分の黄金の聖観音像がかかり海中より現れたのが浅草寺の御本尊と云われますが、徳川家康公が江戸に入府した天正時代1590…

[地域]  月島 築地 (1)−6 月島佃島歩行案内

隅田川を遡る話ではありますが、河口から流頭荒川岩淵水門までの両岸の歩行探索記です。 川の流れが大都会誕生の原点にありますが、お江戸東京も隅田川(旧荒川)河畔が経済文化の中心地でした。 昨今は東京の文化は内陸へとシフトして隅田川両岸は細々とお…

[幕末][事件事故] 水戸天狗党 (4)−6  水戸藩2足の草鞋で悲惨へ

水戸藩9代藩主徳川斉昭の七男一ツ橋公慶喜が天狗党追討軍総大将として…『流言、浮説にまどうことなく無二念(容赦なく)追討鏖殺(みなごろし)いたし候様』と下知して待ち構へております。そこへ神君と仰ぐ徳川斉昭位牌の神輿を伴ない慶喜公を一縷の燭光と…

[幕末][事件事故] 水戸天狗党 (3)−6  自滅 飛んで火にいる夏の虫 

私は一時那珂湊に寄留した事があり水戸の街にも立寄った記憶では千波湖や偕楽園周辺は風光明媚、文化財も魅力のある場所です。 天狗党事件を切っ掛けに幕末の水戸藩内が二分して血みどろの殺戮合戦に終始した事実に、なぜか?、口をつぐむ水戸の人が不思議に…

[歴史][幕末]  水戸天狗党 (2)−6  尊王水戸藩の真実

水戸天狗党事件の本因である水戸藩の尊皇攘夷を一寸覗いてみましょう。 二代藩主徳川光圀に始る尊王思想への傾注歴史観の史記編纂が藩の仕事として代々受継がれますが、江戸末期の9代藩主徳川斉昭の就任で尊王と過激な攘夷思想が水戸藩を席巻します。 即ち…

[幕末][事件事故] 水戸天狗党 (1)−6  天網恢恢 田中愿蔵始末記

前回は浮浪凶徒尊攘派水戸天狗党追討に幕府は遠州相良藩主、幕府若年寄田沼玄蕃頭を追討軍総括に任じ幕府軍一万余で水戸天狗党追討隊を編成常陸に進出します。 一方、水戸藩主徳川慶篤に名代を任じられた支藩宍戸藩主松平頼徳の水戸城沈静隊「大発勢」…、と…

[地域][幕末][事件事故] 蔵の街 栃木市(4)−4 急襲水戸天狗党の放火殺戮

江戸の後期、豊な商人の街栃木宿を放火殺戮した水戸天狗党とは何者か、なぜ栃木宿を襲ったのか?、……あ〜じれってえ!、こちとら江戸っ子だい、栃木宿で何が起こったのか、ぽんぽんと、早いとこ喋りやがれ……とは言っても、物事には多少の筋道が必要で御座い…

[地域][寺社] 蔵の街 栃木市(2)−4 惣社町”室の八島”大神神社

二月に入り栃木市散策を思いつき、先ずは大神(おおみわ)神社、歌枕”室の八島”探訪でした。 奥の細道のプロローグを口ずさみ、取るもの手に付かず東武電車に乗りました。……芭蕉さんと曾良の江戸出立は新暦五月九日ですから真冬二月は早すぎた嫌いはあります…

[地域][江戸] 蔵の街 栃木市(1)−4 お江戸の時代と蔵の街

栃木市は東京から東武電車で約1時間の場所にあります。…… 明治維新の廃藩置県後栃木県と宇都宮県が明治六年(1873)合併現在の栃木県になり、発足当初の県庁は栃木町でしたが明治17年に宇都宮町に移転、実行したのは維新の栃木県令三島通庸でした。 …

[寺社][天皇公家]  護国寺(4)−4 虚飾公卿と明治維新

今更ながら、赤軍派セクト自滅を再現した虚飾民主党政権は日本国沈滞に拍車をかけ、資質の伴なわない口舌の宰相には辟易いたしました。……新生自民党内閣?、再生安倍政権の顔触れは、ほぼ自民党壊滅時のメンバーさんです。何か背筋の寒い感覚が過ぎりますが…

[寺社][人物]  護国寺(3)−4 塋域(墓地)からの物語

この塋域(えいいき)に睡る人々から寺の事、宗教の事、その他、特に明治維新と大日本帝国に至る歴史の疑義がクローズアップしてまいります。 今更ながら歴史遺構の持つ迫真力を再認識いたしました。……護国寺塋域の人々、松平不昧公、高橋義雄、大隈重信、山…

[寺社][歴史]  護国寺(1)−4 江戸元禄の巨刹今昔

池袋や目白台丘陵地の裾、音羽通りの突き当たりに東京唯一の巨刹文化財「護国寺」があります。お江戸東京は徳川将軍家の城下町として名立たる大寺院は沢山ありますが、総て関東大震災、東京大空襲で焼失し音羽の護国寺を除き文化財に価する大建築物は存在い…

[寺社] 日光東照宮(3)−4 家康公霊柩到着と初代東照宮の行方

過ってジャパン アズ ナンバーワンと云ったアメリカのエコノミストが居りましたが、将に当時、ライジングサンがハイヌーンへ、…一転、昨今はサンセットの様相となり、技術、経済の凋落は日本国の転換点となりました。 見透かした様に?、近隣国からの領土侵…

[将軍家][寺社]  日光東照宮(2)−4 家康公霊柩遷座の行程

徳川家康公の霊柩が久能山東照宮から日光山座禅院に安置までの行程をみますと、久能山から東海道二宮までは将軍引退後の居城駿府から江戸往還に使用した御成御殿、お茶屋御殿と小田原の城内に宿泊、二宮から北上し日光までの行程宿泊地の主要地点として天海…

[寺社] 日光東照宮 (1)−4 建立 なぜ日光なのか。

先ず、二代将軍徳川秀忠により東照宮が日光に建立された経緯から、始めます。 <日光東照宮の謎 高藤晴俊 講談社現代新書より> ……元和二年(1616)一月二十一日、駿河の田中に鷹狩りに出かけた家康は、その夜にわかに発病し、同月二十五日駿府に帰城し…

[歴史][地域]  東海道品川(6-2) 歴史回顧のできる場所

大森海岸から品川宿を目指して歩く2回目になります。 初めになぜ、歴史回顧の地なのか?、主要な概要から…… 孝明天皇に手を掛けた稀代の大罪か?、尊王公家岩倉具視の秘められた塋域「海晏寺」 ……将軍慶喜の大政奉還後、最後まで岩倉具視、大久保利通に対抗…

[歴史][地域]  東海道(6-1) 鈴ケ森刑場と大森海岸

東京近辺も梅雨いり間近か、今年の春は短く荒れ模様の季節でした。 原子力発電に関わる騒ぎも止みそうにありません。 また、忘れてならない地球温暖化の弊害も深刻なのですが。… このブログもお江戸の下町やら川向こうに偏重していたので、今回は東海道を大…

[地域][風俗] 本郷 根津界隈(2)−2 根津遊郭と東京帝国大学

宝永三年(1706)五代将軍綱吉の時代の根津権現社建立以来の岡場所が明治に入り江戸四宿並みの公許遊郭になりますが、明治19年(1886)に東京帝国大学が発足します。大学と遊郭が上と下の関係…丘下根津の遊里は至近の場所柄です。 と云う事で、大…

[人物][歴史][地域]  渋沢栄一(5)−5 王子飛鳥山

飛鳥山と云えば「花見の仇討ち」とくれば結構な落語好きのお方様でしょう。王子駅裏の音無渓谷にある卵焼きで名を売った料理屋を舞台に「王子の狐」の噺も、これまた落語の傑作かと思います。先ずは落語でリラックス、…… 関八州稲荷の総社王子稲荷神社と音無…

[人物][歴史]渋沢栄一(4)−5 実業社会へ、大蔵官僚辞職の顛末(2017 02 20 訂正部分あり)

前回に続き、…大蔵省出仕後、日本の近代銀行業務発足の端緒となる大きな仕事を手掛ける事になりました。 おりしも廃藩置県が実施され統一国家としての行政の諸問題が発生し特に通貨の門題は徳川時代の貨幣から維新の過度期に太政官札(新政府発行)を初め各…

[人物][歴史]  渋沢栄一(3)−5 新政府出仕と従兄弟達の彰義隊始末

引き続き、幕末明治時代の乱世に一農民から近代経済を導入実践して日本国の先覚者に上り詰めた人物の幸運とプロセス解明がテーマのシリーズです。 …話が外れますが…最近自民党の憲法改正案なるものが公表されておりますが、そもそも自主憲法などと称して現憲…

[人物][歴史]  渋沢栄一(2)−5 テロリストから幕臣への道

前回は渋沢栄一の出自と百姓を辞める決意に至る経緯を自叙伝から読み取りましたが、渋沢家は同族のよしみが強く、栄一の波乱万丈な幕末から明治維新の時代、多くの従兄弟達とも影響しあい、時代に揺れた有為転変は同族の男達個々の人生でも、各々が物語にな…

[人物][将軍家] 渋沢栄一(1)−5 幻の16代将軍徳川昭武と渋沢栄一

何ごとも不透明な時代とは云え、どうやら近頃の世情は『…だろう』とか『…可能性がある』が流行りだして、原発や地震の専門知識を蔑ろに政治家さんが騒がしいようです。 また、最近一斉に地震学者さんが統計学者に変身したのか、地震記録や頻度を持ち出して占…

[地域] 足尾銅山鉱毒事件 (2)−3 幕府公儀御用山から明治まで

かーちゃん ”おあし”頂だい! 紙芝居が来ると子供が家に駆け込み母親に銭(ぜに)をねだる姿などは昔の東京下町で見慣れた光景でした。 銭(ぜに)を”お足”と呼んだり、何処で覚えたのか”おぜぜ”と云う 言葉も記憶に残っております。 一寸それますが、下町生…

[事件事故] 足尾銅山鉱毒事件 (1)−3 その経緯

前回に引続き、今回は足尾銅山操業の発端から追跡してみます。 明治の御一新で西洋文明を立国、国家経営の道具として、がむしゃらに取り入れた時代でした。軍国主義は例外として一定の近代化の成功は確かでしょう。 しかし私達戦中派にとっては公害という語…

[事件事故][不条理] 福島原発事故(3)−3 足尾鉱毒事件との対比

前回では福島原発事故の影響が社会生活のインフラ、電力供給の不安定化と料金値上の話でした。 今回は明治、平成と100年程の隔たりがありますが、日本国の公害原点とも云われる足尾鉱毒事件から福島放射能汚染の今後の展望をしてみたいと思います。 驚く…

[河川][地域] 利根川の東遷事業(4)−4 江戸川、利根川 お江戸の遺産

昔は残暑お見舞いなどと葉書を書いたものでしたが…、このところの暑さにはお手上げ!、高齢者は自分で自分にお見舞いしなくてはなりません。…… 今回は川のお話になりますが、日本一の関東平野に位置する東京近辺には大河川が集中して流れております。 と云う…

[人物][歴史] 崇源院お江与の方 (7)−7 春日局に係わる噂話

歴史は創られるものと相場は決まっておりますが、江戸国学者や明治政府の行った神国日本への歴史改ざんは日本国民に大きな被害、戦火、原子爆弾、敗戦、飢餓のどん底生活をもたらしました。国家の行う歴史改ざんは犯罪と云えるかも知れません。 さらに、思想…

[人物][歴史] 太平記の世界 (2)−2 足利尊氏武蔵野合戦始末。

最近はもう云いたくもない、聞きたくも無い話に”欠管総理”の去就と、二年続きの暑さです。熱暑も日暮れて夕涼み、などと昔の風情さえ消え失せました。…と云うわけで、エアコンを頼りに戦国絵巻の世界へ。 前回は敗走する足利尊氏が、からくも一命を取りとめ…