鯨 IWC脱退の日本国
昨年末の12月26日、政府はIWC(国際捕鯨委員会)から脱退し、本年2019年7月から日本国独自に商業捕鯨再開を再開すると発表しました。
……但し日本領海とEEZ(排他的経済水域)内に限られ、南氷洋などへの出漁は出来ません。当然IWC脱退により、調査捕鯨は中止です。 日本国政府は脱退理由として……IWCは商業捕鯨禁止国が多数を占める組織構成から『鯨類に対する異なる意見や立場が共存する可能性すらないことが明らかとなった』と説明しております。
昨今の注目されるトラブルに日産ゴーン会長事件、日韓摩擦(慰安婦、徴用工、レーダー照射)、IWC脱退などから、……国際基準の法則やルールに従うのが基本と思われます。更に外国とのトラブルは国際裁定機関に依拠すべき時に、日本のIWC脱退選択は賢明だったのか?、疑問です。…
日本鯨類研究所とは何なの?から始めます。
調査捕鯨とは税金により、日本鯨類研究所が行い、その実態は鯨販売が目的かと疑義が出ているのです。研究用?鯨は販売単価の高い鯨種を重点捕獲し、その市場販売量は零細地方鯨肉を圧迫、更に近年は消費低迷から宣伝活動を始め、更に更に廉価で学校給食に放出したり研究を隠れ蓑にした商業捕鯨団体に近いのが実態です。調査捕鯨では北西太平洋、南氷洋で一年間に計1280頭を捕獲してましたが、今年からの日本領海内の商業捕鯨に切り替えた結果…資源絶滅につながれば………危険で愚かな動き 鯨虐殺をやめよ…と外国の批判が的中する事になるのでしょうか。
また、捕鯨海域の南氷洋近くのオーストラリヤ、ニュージーランド、又、アメリカ合衆国、ヨーロッパ諸国など反捕鯨国では知能の高い哺乳類と愛着動物ですが、一方…捕鯨に対して感情的反撥との主張もあります。………が、極端なイメージをしてみました。……もし社会生活でお隣や近所、町内に特別な食習慣の方が居られ、野良猫、犬、鳩、カラスを公園などで捕殺し食用にするのを見聞きした場合、如何でしょうか? 理解出来るのか、嫌悪するのか、………
次は捕鯨肯定の日本国のメインの主張は伝統的食習慣を守る権利があり、尊重すべき?……私は昭和の1桁生まれですが、敗戦後の国民食として日本人の健康を支えてくれた鯨には感謝し、鯨ベーコンは今でも愛着があります。
しかし鯨と日本人の繋がりは敗戦直後の飢餓時代昭和21年末のアメリカ占領軍の許可で母船式南氷洋捕鯨再開に始り、毎年3~4統も出漁し、遂に資源が衰退し鯨種制限などへ、更に昭和63年(1988)IWCの商業捕鯨禁止に従います。………南氷洋捕鯨の約40年間がほぼ日本国の鯨食習慣と云えます。江戸時代は漁村の浦に迷い込む鯨捕獲程度近隣の食習慣でローカルなものでした。又冷凍技術が捕鯨を支え遥か南氷洋から赤道通過しての運搬で成り立ち、…戦前(1934年開始)の南氷洋捕鯨は鯨油(機械油など)採取のみで肉類は洋上投棄していたのです。
では、鯨肉食用の習慣は?……戦前生まれの私は東京深川、四谷、世田谷で生活成人しましたが、敗戦後昭和23年頃、帰宅し茶箪笥内の鯨ベーコンを見つけたときは腹を減らした子供でも一寸手が出せない奇妙な食べ物に見えました。……その後、貧乏国日本人の廉価な蛋白源とし人気を集め鯨缶、肉は学童給食に更に酒のツマミに「さらし鯨」など愛されたものですが、……私の体験した鯨肉の実態とは、…当時魚屋でブロックが廉価で売られておりましたが、黒く荒い肉質で赤い肉汁が滴るもので、家庭の調理では芳しい食べ物ではありません。その後の好景気時代には尾の身の刺身など料理屋では珍味として出すようになりましたが、これも冷凍のまま調理しなければ客に出せない肉質のもので、その他鯨の希少部分は珍味としてありますが、……現代では一般肉類との相対的比較に耐えられないのが現実でしょう。……鯨食が日本国伝統の食習慣の主張は一寸コジツケに聞こえるのですが。
既に地球資源の枯渇が顕著に成りはじめた現代でも唯一の略奪的食糧資源が海洋生物で日本近海でも採り切れなかった 鰊、さんま、いか、マグロ、カツオなど極端な減少です、ましてや哺乳動物の鯨類は個体数に限りがあり商業捕鯨が理性的な判断であるのか考えるべきかも知れません。 些細な捕鯨文化を振りかざして世界の先進諸国の情緒的嫌悪を刺激する事態は日本国益に合致するのでしょうか。………