首相公選は必要か(2) 総理大臣劣化の現状

現在の日本国の総理大臣は資質に難点のある人物が何故選ばれるのか?…を解明しようと考えた結果ですが、一寸ぐだぐだ長くなります、悪しからず。……
………同じ保守本流自民党の過去の人物を回顧しますと、其れなりの人物である事が分かります。何故でしょうか………昔も今も党内派閥の力関係から総理大臣が選出されています。 大雑把な話ですが、その昔の派閥成立の条件とは、創設者や主要人物の資質、実績、手腕など魅力的人物には必然的に金が集り、更に金銭的な援助や地位獲得を求める議員先生方が右往左往し参集します。…やがては党内に存在感のあるグループが構成されて行ったのでしょう。……単純に云えば金を集めて子分を養うのが往時の領袖でした。…即ち戦後復興期に企業は資金、市場、技術と不安を抱え、企業振興、保護、援助の法的庇護を国に頼っていた時代、政治家に接近して来る一面が存在し、金が動いた時代です。……
そこに突然、異端者が現れたのです。昭和32年(1957)でした、当時組閣した岸信介首相が、その財力に眼を付け、外務大臣就任を要請されて自由党入党、政治家の第一歩を印した異端政治家と呼ばれた「藤山愛一郎」は…政界慣習に疎い御曹司でした。有力企業多数を傘下にする藤山コンツェルンの領袖でしたが、さすがの大財閥と云えども貪欲な政治家達の事、資金源は忽ち枯渇し当該会社株は離散しますと、”金の切れ目が縁の切れ目”派閥議員はどこぞへと消え去り藤山氏の自民党総裁の望みは霧散しました。彼の不覚を世間では”絹のハンカチを雑巾にした”、…”最後の井戸塀政治家”と評していました。
しかし、藤山氏の実態とは裏腹に戦後の政治資金(派閥資金)収集方式は井戸塀政治家時代とは一変しており、企業との癒着が顕著な資金源でした。忽ち疑獄事件へと発展するケースが多発いたします…、総理大臣田中角栄氏の逮捕収監のロッキード事件は社会を震撼させました。……戦後の四大疑獄事件とは………
(1)昭和電工事件(1948)前副総理西尾末広逮捕。芦田均内閣は総辞職。
(2)造船疑獄事件(1953〜54)自由党幹事長佐藤栄作犬養健法務大臣の指揮権発動で逮捕を免れた。
(3)ロッキード事件(1976)田中角栄前首相を初め、各社の幹部多数が逮捕起訴された。
(4)リクルート事件は、リクルート社が未公開株を政治家に譲渡した贈収賄事件。
実態を見てみますと、前、元総理大臣の逮捕、起訴、容疑も珍しくなく田中角栄逮捕(ロッキード)、佐藤栄作逮捕(造船疑獄)は法務大臣の指揮権発動で不発。
特に深刻だったのがリクルート事件でした。疑惑関連議員は竹下登宮沢喜一小渕恵三中曽根康弘森喜朗小沢一郎安倍晋太郎渡辺美智雄橋本龍太郎梶山静六塩川正十郎加藤六月加藤紘一原健三郎伊吹文明野田毅堀内光雄鈴木宗男などが譲渡を受けておりますが、……秘書官、妻、家族などが受領したと主張して本人の立件起訴は困難だったケースです。……が、目立ったのが、現在の東京オリンピク組織委員長森喜朗(元総理大臣)は未公開株換金で一億円の売却益を上げています。この事件での立件、有罪は官房長官藤波考生と安倍晋太郎自民党幹事長私設秘書、宮沢喜一大蔵大臣公設秘書、加藤六月元農水大臣公設秘書と政治団体会計責任者でした。……リクルート以後の自民党参議院選挙では過半数獲得が出来なくなっていました。…………
戦後の贈収賄跋扈も、さすがに厳格な法整備の締め付け実施段階に入り、監視に曝されると、金の流れはパーティー券のチマチマした脱法行為が目立つ程度になり、政治家が目を付けたのが税金と云う国費からの摂取です、…悪い事をしない様にお金をください。と?…、国費による政治資金の政党助成をお手盛りで決めてしまいました。が……今度は政治資金を私的の飲み食い、遊興、生活用品購入と何ともルーズな金銭感覚の日常化が普遍的行為になったのです。…………ここに至り……
自民党派閥の形態が激変し、水を得た魚の如く安倍首相の登場となります。………最早、金の支給を期待出来ない派閥の条件とは………知識教養、実績、人格の領袖は時代遅れ、自民党総裁には将来、世間社会をコントロール出来る知恵…恫喝、強請り、法律の拡大解釈などで社会を支配する悪知恵を平気で発揮できる人物が有用……ガキの悪知恵程度を臆面もなく行う、即ち……日銀総裁、NHK会長選出干渉、TV局の恫喝(許認可)、新聞業界へ干渉(強請)。など、更には政治評論家の抱込み(政治資金、内閣機密費)政治記者やタレントにも手が回っているふしがあります。経済界では何と経団連榊原定征会長さんは安倍総理のお先棒担ぎ、臆面もなく、恥も外聞もないのか?…財界知性の象徴が何時抱き込まれたのか、”法人税の軽減実施!、その他おいしい密約と”同類相求む”なのでしょうか?………
また安倍晋三の身から出た錆び典型が、森友学園事件です……安倍総理と共通の思想を持った、人懐こい右翼国粋主義者籠池泰典氏に国費数十億円を流用した安倍氏夫妻と籠池夫妻の濃厚な交際の果てが、流用発覚後の安倍氏の冷酷な仕打ちでした。梯子を外され、持ち去られた夫妻は空中遊泳を余儀なくされた。……激怒した籠池夫妻の反撃が世間の注目を集めています。
知識教養の欠落した人物でも悪知恵さえあれば、国家権力や社会を掌握出来る……それでいいのだ!……これが自民党議員さんの総理大臣への期待なのでしょうか?………国の主権者国民の総意が反映できる選出方法「首相公選」の時期と思うのです。
……次回へつづく
……前回へ戻る

《首相公選制度は必要か》
(5)元日本国総理大臣のCIAエージェントとは
(4)政治家の裏切り 民進党野田幹事長さまへ
(3)それを言ったらお仕舞いよ 安倍総理大臣さま
(2)総理大臣劣化の現状
(1)安倍総理大臣、読売新聞、豊田真由子衆議院議員