[地域]　銚子のはずれ　（８）−９　ジオパークを屏風ヶ浦へ

前回は犬吠崎灯台の話でしたが、明治以来お世話になった西洋文明の象徴でもありますが、５０年以前に私もお世話になった思い出があります、………例えば東京港から北海道各港に航海する船上から常磐、三陸の山を望見する沿岸至近の航路を北上するのが最短距離である事は日本列島地図から明確です。当然安全上自船位置確認は重要で各地灯台は方位距離測定ポイントです。

当時の灯台無線業務に船舶方位探知機用電波の発信と航路の気象確認用ローカル気象無線ＢＣ（放送）サービスです。…灯台海域の気圧、風向、風力、波、うねりの数値を通報します、犬吠崎灯台の無線識別サインはＩＹ、次の福島県塩谷崎灯台がＴＭ、宮城県金華山灯台がＫＡの電信（モールス符号）、でした。また当時はレーダーや無線方向探知機の無い船舶など（戦後も機帆船と云う簡素な木造船が可なり内航船として航行していた。小型漁船。）へのサービスは…各船はラジオ受信機で灯台送信の回転式無線ビーコン電波（ループアンテナ）の断続音ピ、ピ、ピ、…を受信します、一定数が発信され、各船で開始から消音点迄の数をカウントして表を参照して方位度数を確認します。（例えば消音点３８番目＝９５度）。　　現在は犬吠崎灯台の業務として光による灯台業務と電波による「方位探知用電波局」→（方探機器用）。「レーマークビーコン局」→（船舶レーダー波照射を感知して灯台から電波を発射し船舶レーダーＰＰＩスコープ（モニター）上に方位線を表示）。「デファレンシャルＧＰＳ局」→（地上固定局でＧＰＳ誤差値算出して各船舶受信ＧＰＳ位置の誤差を１ｍ以内にする修正用電波を発信）。等でしょう。………

犬吠岬から長崎鼻を望む
さて国道２５４を銚子半島の最先端長崎鼻を目指しますこの辺も黒生海岸から続く岩礁が海岸の景観美を楽しませてくれます。……ところでジオパークと云う意味ご存知でしょうか？　ムズカシー！……結果、私にも理解できた説明は茨城県北ジオパークの定義です…
ジオパーク（Geopark）とは、地球科学的に重要かつ珍しい景観を含み、地球科学的理解を目的とする観光「ジオツーリズム」に適した環境と体制を持つ地域のことです。………と云う事でユネスコが支援する世界的組織があり、その日本組織に認定されたのが銚子ジオパークです。やはり銚子はただ者でないエキサイティングな場所である事が学問的にも証明されているのでした。　

長崎鼻宝満島早速、学問からの贈り物！…即物的、現実的なお方様にも至福を与える一例へ……銚子の先端長崎鼻にまいりました。岩礁に巨大筒状（灯台？）が在り直ぐ分かります。大潮干潮時には沖合いの宝満島（岩礁）まで広大な岩礁海域が露出しアサリやその他貝類の採取ができます。更に”大きな声では言へないのですが”！……銚子は琥珀（コハク）の日本三大産出地です、その琥珀が長崎海岸で採れるのです。　ま、ま、慌てないで、昔の人が採ってしまった？、と思いますが、運がよければ何とかなるかも？……具体的話は人格的保証の無い私では不適当ですので！、…《銚子ジオパーク》　http://www.choshi-geopark.jp/ のＨＰから転記させて頂きました。……
……長崎海岸の西側の海岸段丘上には、新生代新第三紀鮮新世（500万年前）に堆積した名洗層の基底部があり、それ以前に堆積したジュラ紀〜白亜紀〜新第三紀中新世の地層を、礫として取り込んでいます。
長崎海岸を歩くと、薄緑・オレンジ・赤紫などのジュラ紀のチャートや、グレーの犬吠砂岩、黒い石炭や泥岩、黒い古銅輝石安山岩などの転石が、至る所に見られます。また、名洗層の凝灰質砂岩に取り込まれた、白亜紀のノジュールなどもあります。　　　泥岩の中から白亜紀の琥珀を見つけた人や、ノジュールの中から白亜紀のアンモナイトやトリゴニアを見つけた人もいますが、よく見つかるのは名洗層のサメの歯です。　　　アンモナイトや殻が合わさった二枚貝化石の内部には、方解石の結晶ができていることがあります。因みに、方解石は、CaCO3 （炭酸カルシウム）からなる鉱物です。方解石と同じ化学組成で、サンゴのような形状に結晶した霰石（ｱﾗﾚｲｼ）を見つけた人もいますが、今では乱獲が進んでいるようです。……
◆アンモナイト
恐竜がいた時代の海にすんでいた、タコやイカの仲間です。
化石になるのは、硬いからの部分です。
銚子では直径50?以上の大きな化石も見つかっています。
◆コハク
木の樹脂（ヤニ）が地中にうまり、長い年月により固く
なったものです。銚子はコハクの日本三大産地で、日本
で最も古いコハクも見つかっています。
◆サメの歯
銚子では多くのサメの歯の化石が見つかっています。なかには、体長10ｍ以上の巨大ザメ
「ムカシオオホホジロザメ」の歯の化石も見つかっています。
只の海岸の岩礁と思っておりましたが長崎鼻一帯も貴重な学問的遺産なのでした、御留意下さいます様よろしくお願いいたします。　　 ……先へつづく… ……前へ戻る…