[地域]　銚子のはずれ（７）−９　ポートタワー、海鹿島、君ヶ浜、犬吠崎灯台

銚子漁港の要と云える外港にある第三魚市場と広大な係船岸壁はアジ、イワシなどの釣り場とも云えます。この岸壁の丘にかけて観光施設ポートタワーとウオッセが人気スポットです。　　まず、ポートタワーはガラス張りの展望塔で太平洋、利根川河口、鹿島灘、九十九里浜方面を眺望して当地を俯瞰した景観です。薄暮に出港沖合いを目指す巻き網船団や遥か鹿島製鉄所沖には巨大鉱石運搬船が数隻、洋上に錨泊するシルエットがあります。霞む利根川上流域の内陸も開けて見えます。……

銚子ポートタワー
お食事にはシーフードレストラン「ウオッセ」１６０席は広々とし、一寸立ち寄りゆっくりするのによい店内環境とリーズナブルで銚子地元の豊富な海鮮メニューが揃っております。一連の施設の一番下、港寄りにパーキングと入口もあるところが、鮮魚、海産物の販売スペースでそれぞれ店舗を構えて観光客の土産、お目当て銚子の魚を揃えて人気を集め、…過って私の友人は戻りカツオの美味に感動しておりました。……

銚子ポートタワー

外港の海上保安庁巡視船係船岸壁先も更に港湾整備中ですが、その内陸部の造成地には水産加工場団地があり工場が多数進出しておりますが、その景況感と操業状況はよく分かりません。…日本一の水揚げ量を誇る銚子ですが、地元漁船による漁業は衰退し日本各地の廻船による水揚げ市場の機能と港湾施設、更に地場産業としての水産加工業が銚子市の主要産業と考えられます。しかし、日本全国従来の水産加工業のパタンでは儲からない産業ですが、一縷の望みは東南アジア、アフリカ、中東向けの缶詰類に付加価値を付けた輸出食材です、従来の仕上げ味付けを払拭、徹底した現地人好みの食材として高品質の日本製をアピールすべきで世界の食嗜好を勘案すれば青魚缶詰有望消費地でしょう。一方国内向けには画期的加工技術開拓の新製品開発が起死回生策でしょう。…この水産加工業が高度化発展すれば従来の「漁業」パタン不漁貧乏、豊漁値崩れ貧乏と貴重な淡白資源を肥飼料転用などと宝の持ち腐れ体質も改善出来る筈です。……とにかく水産加工業の発展、衰退は銚子市将来の鍵かも知れません。

犬吠崎……それでは国道２５４を南下犬吠崎を目指します。…すぐに岩礁地帯の黒生（くろはえ）の海岸です５０年以上も前からここには大きな入れ込座敷の大衆鮮魚料理店が繁盛して銚子名物で通用しております。この辺りから風光明媚、変化にとんだ海岸線が連続しフリー駐車場も諸所に完備されよく管理され一直線の国道は防風林に沿い海岸は広大な芝生の遊歩道のスケールと犬吠灯台を遠望する海岸２ｋｍは”君ヶ浜しおさい公園”で銚子一番の「優れもの」と云えるでしょう。
君ヶ浜最奥の犬吠灯台下の海岸大駐車場は人気スポットで灯台写真撮影の最適地と海岸眺望に優れた場所です。国道２５４は犬吠岬の坂を登り岬へと分岐すれば正真正銘の灯台施設であり有名観光スポットです。灯台を核に周辺一帯広域な地域がホテル旅館を始め観光施設の集約地帯になります。ツアーや観光旅行などもそれぞれ既にスケジュールがある事でしょう。…と云う事で詳細は省略。

犬吠崎灯台
……一寸わき道、灯台のお話です。相変わらず古い話で恐縮ですが、昭和３２年（１９５７）の松竹映画に”喜びも悲しみも幾歳月”主題歌を若山彰が歌い大ヒットいたしました。往時から船舶航海の重要施設として誰しもが認識していた灯台の職員家族のお話です。が、現在は灯台無人化で燈台守と言う職業（海保職員）は壊滅して久しくなります。近来半導体実用化に端を発した電子技術の革命と人工衛星の実用化で航海機器と通信機器の一大革新の結果、光に頼る灯台の地位喪失と船舶無線電信の廃止が象徴的で、ＳＯＳと云う遭難信号も存在しないのです。！　では、…航海する船舶職員の基本根幹作業とは洋上の自船位置確認です、灯台時代から現代への変化と推移は……航海士は同時に沿岸三箇所の灯台方位を測り各灯台からの方位を海図上に直線記載すると三線が交差する一点が自船位置の決定で、沿岸航路の航海ではその作業を繰り返します。その後レーダーが開発され、灯台光芒の届かない位置や気象状況でもレーダーにより灯台三点位置と本船間それぞれの距離を計測しデバイダー（文具コンパスの様な物）で海図上に表示、三曲線が交差した一点が自船位置となります。
現在の航海機器として……電子海図（Electronic Navigational Chart）ではモニター上に常時海図と自船位置が表示され、その他の航海情報（針路、レーダーなど）も表示可能です。更に自動操船装置（Auto Pilot）を設定すれば予め指定した目的地までGPS位置を基本に設定コース上を自動航行が出来ます。……如何ですか！　更に小型船舶でもレーダーやGPS NAVIを装備した現在…気になる事は灯台の希薄な存在感です。 ……先へつづく…　　……前へ戻る…