[地域] 大川、上げ潮のゴミ(1)−2 ただのお話”上げ潮のゴミ”

古い世代とお笑いでしょうが!、昔の人々の唄、浪花節、小説、などの背景に利根川がよく出てまいりました。お江戸、関東の住民の心の何処かにこの川の情緒が在ったのでしょうか?。 少々寄り道して、気が向くままに思い付くままに書きますと……先ずは、森繁久弥さんが歌った野口雨情の民謡「枯れすすき」さわりの部分のピックアップから……1921(大正10)年頃の唄、
♪ おれは河原の枯れすすき おなじお前も枯れすすき
          どうせ二人はこの世では 花の咲かない枯れすすき
♪ 死ぬも生きるもねえお前 水の流れに何変わろ
          おれもお前も利根川の 舟の船頭で暮らそうよ
♪ 枯れた真菰に 照らしてる 潮来出島の お月さん
          わたしゃこれから 利根川の 船の船頭で 暮らすのよ

     

        利根川茨城県境町附近

調子が出てきました次は田端義雄さんの歌った「大利根月夜」……
JASRAC歌詞は削除>
元治元年(1864)頃に作られた名高き銚子大漁節の一節から……
♪ 一つとせ 一番づつに積み立てて 川口押し込む 大矢声 この大漁船
♪ 七つとせ 名高き利根川高瀬船 粕や油を積み送る  この大漁船

負けていないのが玉川勝太郎浪曲天保水滸伝、笹川の花会」の名調子…
♪ 利根の川風袂に入れて 月に棹さす高瀬舟 ♪……


       利根川河口波崎町
…小説、田山花袋さんの「田舎教師」の一節”林清三”が中田遊郭からの帰途利根川河畔からの眺望……丁度目の前を、白いペンキ塗りの汚れた通運丸が、煙突からは煤煙を漲らし、推進器からは水を切る白い波を立てて川を下って行くのが手にとるように見えた。甲板の上には汚れた白い服を着たボーイが二三人仕事をしているのが小さく見えた。
清三は立留ってじっとそれを見詰めた。白い烟が細くズット立っと思うと、汽笛の尖った響きが灰色に曇った水の上にけたたましく響き渡った。
利根川は溶々として流れて下る。逝くもの斯くの如しという感が清三の胸を襲って来た。……

更に古く松尾芭蕉さんの紀行文”鹿島詣”には行徳河岸に上陸、鎌ヶ谷経由、利根川ベリの布佐から舟に乗る為に一行が休んだ漁師の家の様子……月既に暮れかかるほどに、利根川のほとり、ふさといふ所につく。 此川にて、鮭の網代といふものをたくみて、武江の市にひさぐもの有り。 よひのほど、其の漁家に入りてやすらふ。 よるのやど、なまぐさし。月くまなくはれけるままに、夜舟さしくだして、かしま(鹿島)にいたる……江戸時代どうやら利根川では漁師によって鮭が獲られていたようです。御存知ですか、…今でも鮭遡上の南限の川が利根川とされますが、一寸前に茨城県取手の在に住んでいる方の話で利根川に仕掛けをすると鮭が獲れる話を聞いた事がありました。 ま…密漁は御法度の筈でしょうが、……
…歳のせいか集中力が足りなく取り留めのない話が楽になりました。 序でのお話……利根川は別としても東京近辺には隅田川、江戸川、荒川、多摩川など流れ込んでおり、下町では隅田川を昔は大川などと呼んでおり海に接する雄大下流の面白い現象、……「大川のゴミ」「上げ潮のゴミ」……ま…落語フアンは先刻御承知の言葉、但し私なりの解釈ですが! 行ったり戻ったりで河岸の杭などに引きかかる”。 ”行った筈のゴミが元のところに戻って来ている”の例えで……、大川を流れて行ったゴミが上げ潮に乗ってもとの処に返ってくる現象。 私が直ぐに思いついた人物は安倍晋三総理大臣閣下です。……民主主義社会に突然現れた戦前思想に戻った人物!、戦争などしない事を祈るばかりです。
 ……先へつづく

《大川 上汐のゴミ》
(2)右傾化社会の食料事情(政治と世相)
(1)ただのお話”上げ潮のゴミ