[地域][世情]  巣鴨界隈(1)−2 おばあちゃんの原宿、地蔵通商店街

変な組み合わせです! 巣鴨界隈には”とげぬき地蔵通り”や四谷怪談と振袖火事に由縁のあるお寺さんが存在します。
先ずはおばあちゃんの原宿と云われる地蔵通りの散策から始まりです。 JR巣鴨駅前の広い道が国道17号線、白山通りを北に歩くと直ぐ左に逸れる賑やかな道には巣鴨地蔵通商店街のアーチがあります。
これが旧中山道で、その昔皇女和宮が将軍家茂に降嫁する行列がはるばる京都から通り過ぎて行った街道です。
商店街入り口アーチから約200m右側に高岩寺の”とげぬき地蔵”があります。 境内は多少の善男と多勢の善女”おばさん、ばあちゃん”で賑わい、昨今の巣鴨の有名はこのお寺あっての事なのでしょう。
しかし余計な事ですが、本来、巣鴨で地蔵と称するのは真性寺の地蔵さんで、有名な江戸六地蔵の一つです。
おばあちゃん人気のとげぬき地蔵高岩寺さんは明治24年(1891)上野駅脇の(現岩倉高校)敷地から移転してきたお寺さんなのです。 
上記、真性寺参道入り口は巣鴨地蔵通りアーチの附近西側にあります江戸以来の名所です。

           
さて、地蔵通りに入ると最初の印象は街全体が赤色の感覚です。
おばあちゃんの原宿とは好く云ったもので、お年寄り好みの食べ物、衣類などの店舗が軒を連ね自動車も入り込まず!、高齢者、観光客には大親切で、ゆったり歩きでお買い物と居心地は抜群。 今風世情のセレブ、ゴージャス、モダン指向が欠落した、欠落させたのか!、気安い安心感が街を覆います。
間もなく通りの右側に高岩寺境内があります。 おばちゃん、ばーちゃんの目的には石の観音さまに水を掛けタオルで拭き取り、お願い事をするのです。 混み合って順番待ちの柵まで工夫されて、中には女性に混じって観音さまに水を掛けお体に手を触れてる”ふてぇじじい”もいます!どうやら、ばーちゃん専用ではないようでした。
本堂内のお札授け所で昔ながらの地蔵尊の小さなお札を見つけ、おぼろげな記憶が甦ります。…喉に刺さった魚の小骨で母親からコップの水に浮かべたお札を呑まされた懐かしい思い出です。
さらに商店街をゆっくりと一軒一軒を楽しみ、覗いて行くと突然赤い商品が溢れているお店に遭遇しました。 なんと話題の赤パンツ専門店です。 この色は私ども昭和一桁生まれには、…あっそうか! と納得の色ではありまして、その昔女性の”お腰”こと腰巻が緋色の鮮やかなネルの赤布で現代赤パンと共通色です。当時は各家の軒先に平然と乾した洗濯物ですが、唯の大きな布切れ?でも赤色はよく目立ちました。……
何故か?突発的に私は”赤ふん”購入を思いつきます。以下購入に至る経緯を週刊誌記者のドキュメント記事風に改ざんしました。
…《老人赤パン店に乱入す》…『某月某日、午後二時過ぎ、巣鴨地蔵通商店街の婦人インナー赤パン専門店に突如、老人とおぼしき男が乱入して店内で”赤ふんどし”を売れ、と喚き立て婦人買物客を恐怖騒然に陥れた。 店員のとっさの機転で隣の店に男を誘導し事なきを得たが、 警察官の話によると老人は……、《やましい事はしていない、看板は赤パンとは読めるが女の赤パンツ専門店とは書いてない》と”うそぶく”ばかりで行動の意図は本人すら定かでない模様。 なお本誌レポーターの意見では最近の某新聞紙上には女性人気商品”フンドシ”の記事掲載を言及している。
また、精神科医の話しでは強烈な色彩がアルツハイマー患者に及ぼす影響は今後の研究課題と述べた。』……以上
この件では、実は何ごとも起こらず女店員は、ここは婦人用品、それは隣のお店と案内されて棚の隅から、悲願の”赤ふん”二丁を見付け出し購う事ができました。 「じいさん」や「おばあちゃん」の扱いは良く慣れている!街のようです。 …”よせばいいのに、じじいの赤フン”…と、
巣鴨地蔵通り探訪で私の購入品。 高岩寺とげぬき地蔵尊御影(お札)100円。 赤ふん680円×2。 重盛人形焼10個700円。計2160円也。 
 
次回は四谷怪談と振袖火事の核心にせまります。……次へつづく

巣鴨界隈》
(2) 四谷怪談、振袖火事由縁のお寺
(1) おばあちゃんの原宿、地蔵通商店街