[経済][歴史]  消え去った職業 (1)−7 現代

僅か5,60年以前から、今日までに消えていった職業を顧みますと、社会のシステム近代化、技術革新と、その原因は多様に亘りますが、今後の流れはどうなるのでしょうか!。 
途上国労働者の参入による、低賃金の標準化がもたらす日本国の製造業の海外移転問題や、より厳しい部品コスト削減は早晩、中小企業の存続も不透明になりそうです。 企業の国際化の影響も見逃せません。 
身近な会社のユニクロ楽天など社内コミュニケーションの英語標準化など話題になりました。 企業の外国人社員採用の普遍化、本社管理部門の海外委託も聞く話ですし、本社機能の海外移転さえもあるのでしょうか! 
また、日産自動車の主要車種マーチの日本販売全車がタイ国輸入車となりました。 更に今日は民間企業賃金の記録的な下落が報道されて居り、企業の中枢に繋がるエリート社員以外の労働者の雇用環境の悪化が続いております。…
結論は、日本国経営の責任者たる政治家の資質の問題か? 曖昧な権力機構に迎合する風任せのサラリーマン国会議員では世界列強相手のステーツマンの責務は無理でしょう。 日本低迷の打破が急務なのですが。…
    
s.s.KATORI MARU 野上隼夫 氷川丸ギャラリー   
では現時点で消え去った職業を列挙してみます。
主に『交通関係から』……市街電車車掌、乗り合いバス女車掌、国鉄列車運転士の2人乗務(民営化で単独化)、貨物列車車掌(貨物列車編成では後部に車掌車連結)、蒸気機関車機関士、モノレール運転士(無人化が進捗)、鉄道駅改札員,出札員、荷馬車馬方(馬子)は昭和30年頃には東京から姿を消した。 オート三輪車運転手、リンタク車夫、駅待ち人力車夫、荷車車力(大八車を曳く人)、押しや(坂待ち)。
『技術、文化の革新、変革、インフラ整備で淘汰された仕事、許認可専売人』は多数にのぼります。
タイピスト、電話交換手、沖仲仕(港湾労務者、船舶ウインチマン)、にこよん(失業対策の日雇い労働者)、外国航路船員、無線電信通信士(一般船舶、陸上無線電信局など、ほぼ社会に存在しない)、有線電信オペレーター(郵政省、鉄道、警察)、電報局員と電報配達人、遠洋漁業船員(多少存続)、活動弁士屎尿汲取人(地域によりパキューム車多少あり)、紙芝居業、映写技師(資格免許は廃止)、文選工(新聞社、印刷会社など印刷活字拾い)、給仕(オフィス、新聞社(子供さん)などで下働きする少年)、新聞社の原稿運びオートバイ運転手、新聞社伝書鳩係、樽職人、貼箱職人、箒職人、沖取り艀(バージ)船員、灯台職員(「灯台守」海上保安庁職員の無人化)、ドックかんかん虫(ハンマーで船舶の錆び落し)、炭鉱、鉱山坑内労働者と職域全般、生糸繭生産農家、赤帽(駅ポーター)、エレベーターガール(デパートなどで乗務)、屑や(家庭屑類買取人)、富山の薬屋(家庭置き薬業)、公娼(遊郭従業婦)、赤線、青線従業婦、銭湯三助、、貴族院議員、華族(公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵)、日本国主権者元首(天皇家)、帝国陸海軍軍人、専売局タバコ小売免許人、酒塩販売免許人、エンヤコラ(女性日雇い労務者)、幇間(たいこもち)、箱や(芸者の三味線運び)、女衒(昭和32年売春禁止法執行以前には存在した)、助産婦、按摩、野犬捕獲人、煙突掃除業、移動型サーカス、見世物、猿まわし、がまの油売り。
『見当たらない街の商店』……蛇や(商店)、下駄や(商店)、三味線屋(販売修理)、炭屋(薪炭販売商店)、タイプライター(販売、印刷)、キセル(煙管)屋、らお屋(煙管掃除)、鋳掛け屋(鍋釜修理)、足駄屋(挿げ替え)、アイスキャンデー製造販売(冬季=蒸し芋屋)、屑屋(屑買取人)、花輪屋(造花花輪製造、設置……葬儀、開店など)、材木屋(商店)、氷屋(配達商店)、写真館(スタジオ)、ガラス屋(修理商店)、佃煮屋(商店)、………以上一般的な状況を思いついた分、まとめて見ましたが、まだまだ在るように思えます。

私自身、若年の一時期、無線従事者を職といたしましたが、正直、船舶無線電信局(一部漁業用、防衛庁は除く)、陸上公共無線電信局(公衆電報NTT基地局)が無くなり、有名なSOSの船舶無線電信用遭難信号さへ存在しない(使用されない)のです。……その詳細とは衛星通信の発展からデーター通信や公共無線電話が簡易、廉価、リアルタイムで会話(スマホ)の普及があります。…人口衛星打ち上げ以前の長距離無線通信(電離層利用)の花形、無線電信局が不要な存在になったのです。とは夢にも思いませんでした。……次へ続く…  
《消えた職業》
(7) 製造業の現況は          
(6) 製造業の辿る道は
(5) 新宿風俗トライアングル 昭和2,30年
(4) 占領米軍時代と青線etc
(3) 赤線青線、パンパン、オンリー、洋パン嬢
(2) 公娼、私娼
(1) 現代