[探訪][地域] 野田市関宿 (2)−2 関宿城界隈探訪

前回、幕末の公武合体の推進功労者、関宿藩久世広周と一族は何処に墓所があるのでしょうか、……おばーちゃんの原宿と云われる巣鴨です。
すでに御紹介しておりますが、巣鴨日蓮宗妙行寺”とは江戸以来語り継がれたお話の四ツ谷怪談田宮家の墓地とお岩さまの古い五輪塔が四谷鮫ケ橋谷町から移転してあります。
また世界最大の火災と云はれ焼死者10万8千人の振袖火事(明暦の大火)の火元とされる徳栄山本妙寺が旧地本郷丸山より当地に移転し境内には関宿藩久世広周一族の墓所が在りました。…詳細はHP巣鴨界隈をご覧下さい。
      
     江戸川流頭水閘門…利根川流入水調節水門 Photo…京浜にけ
関宿に戻りまして、江戸城の要害とされた関宿は江戸川舟運中枢でしたが、現在は鉄道に縁のない陸の孤島と云える場所で地図を開けば話はスムーズになると思います。 東武スカイツリー東武動物公園からのバスが最寄でしょう。江戸町バス停から江戸川堤防へ戻ると直ぐに関宿関所跡の石碑があり、江戸川堤防上は整備された遊歩サイクリング道は広大な遠望が楽しめ関宿城(博物館)が眺望できます。 更に上流方向に間もなく”関宿棒出し”跡の表示と説明板があり、往時の写真も設置されて、江戸の洪水防止に天保年間(1830)頃から昭和4年まで、丸太棒を数千本打ち込み川幅を調整していたのです。 現在は更に上流に近代的な水閘門が設置されております。
少し歩くと堤防河川敷は牧草地やハングライダー場、堤防内側は牧場などです。間もなく石碑と表示板のある空き地が土手下にありますが、関宿城跡と表示し、遺構らしき物も皆無の空しさです。
白亜の城郭(博物館)が間近になりますと、過って江戸川流頭整備の巨大な浚渫機械など展示された大きな駐車場や、よく整備された公園になっております。…では、目玉になる千葉県立関宿城博物館の主たる展示物とは、利根川、江戸川を中心とした関東河川の古代から時系列による推移詳細など分りやすい解説と、江戸時代の「舟運」、仙台から銚子への海運、更にお江戸を結んだ河川舟運の物流大動脈の花形”高瀬船”などの歴史です。私も度々通いお世話になりました。
     

上)関宿城博物館 下)小名木川扇橋水閘門
なお関宿藩に関する資料もあり、天守閣の眺望は利根川の江戸川分流点も遠望できます。……
この博物館脇の広大な河川敷の大きな島に橋が架かり見逃せない場所、この中之島には紅葉、こぶし、など巨木で覆われた公園になって春秋は自然を楽しめる島と千葉県側堤防との間が関宿水閘門で前述の「関宿棒出し」を近代化した江戸川流頭部の利根川からの流水量を調節する大水門です。…この設備をなぜ水閘門と云うのでしょうか、…上記水門に閘門を併設、幅10m程の船舶用水路があり、水門上下の水位差を調整して船を通過させる設備です。月とスッポン位の規模の差がありますが、パナマ運河の原理と同じく上流と下流にゲートを設け船舶を導入し水位調整後に通過させる仕組みです。 ここの設備はゲート開閉は人力で行い後は上下河道との水位調製で水の注入か排水だけですから簡単な装置、現代では通過船舶は無く休眠状態です。なお近代的な水閘門を調べたい方には東京江東区小名木川に近代的で電動化された扇橋水閘門があります。
なお、関宿城跡は全くの平面更地化で遺構類が皆無ですが、明治初年に城の破却後、人工河川江戸川流頭部分の近代化の大土木工事や築堤などで城石、土塁等の流用などが在ったと想像できます。  ……前へ戻る

その他関宿町探索など情報は下記をご覧下さい。……『関宿城博物館HP』

野田市関宿》
(2) 関宿城界隈探訪
(1) 公武合体と久世広周