[探訪][地域][寺社]  向島を歩こう(4)−5 牛島神社の撫で牛談義。

先日の三囲神社から南へ蔵前通りを挟んで牛島神社があります。 この場所は水戸藩小梅別邸跡の一部でしょうか。
当初牛島神社は隅田川畔を更に上流へ、現在の興福寺裏あたりに位置しますが、関東大震災後の隅田川堤防拡張などで、現在地に移転したもので、今も墨田堤に残る灯明台は旧牛島神社と川を行き交う舟の為に置かれたものです。…
撫で牛で有名な牛の御前様の参拝をすませました。では私の境内の、お目当は!画像の牛さんです、話し掛けそうな風情に見えるのです。…

牛じいさん牛島神社境内
モ〜眠いの〜。ところで兄さん、よく見かける顔だけど、なにかい、今日も撫で牛かい!
そう言えば兄さんが撫でて行くので、頭のところがつるつるに成ったと撫で牛さんは喜んでいたっけ。…その後、頭の具合はどうだい、効き目があったかい?  そうかい、先日上役さんに良いアイディアだと仕事を褒められたのか、良かった良かった。 な、神様は拝むものだよ! だけど兄さん、お賽銭は何時も赤いのばかりだね〜、他には無いのかい、紙に印刷したものだと、ずいぶん助かるって神主さんは言ってたっけが… 近頃お願いが多くて神様も忙しいって、何時も赤いのばかりじゃ兄さん忘れられちゃうよ…
などと言ったかどうだか、分かりませんが、ユーモラスな温もりのある牛さんにみえます。
     
           
上)撫で牛 下)境内奉納牛
お江戸以来、牛の御前こと牛島神社の撫で牛は庶民に親しまれ、体の悪いところは、牛のその部分を撫ぜると治ると云われたそうです。
お寺さんの本堂に居られる御賓頭廬(おびんずる)尊者の謂れと同じです。
この神社は社殿、社務所も戦前の建物で風格があります。 先日たまたま結婚式のお方が神前参拝する光景に出会いましたが、しみじみとした良い風景でした。
ま、とにかく向島にはお江戸の風情が多く残っているのです。
ここの境内、牛の石造物は4,5個奉納されておりますが、中には写実的で、今にも歩き出しそうな牛まで居ます。
御紹介の”牛じいさん”は割りに小さいものですが境内を探してみてください。……前へ戻る…   ……次へつづく

向島を歩こう》 
(5) 世界一のスカイツリーと東武鉄道
(4) 牛島神社の撫で牛談義
(3) 江戸石工文化の魅力
(2) 御祈願 向島三囲神社
(1) 墨田区向島